【2023.秋】
今年の夏の6月から8月までの3カ月間の全国の平均気温は、平年よりも1.76度高くなりました。過去126年で最も暑かった夏になったと気象庁が統計をまとめたようです。特に気温が高かったのは北海道と東北です。すべての県庁所在地で、8月の平均気温が観測史上1位を記録しました。偏西風の蛇行の影響といわれていますが、太平洋高気圧の列島付近への張り出しが長引いたことや、周辺の海水温が記録的に高かったことなどが原因と分析されています。
そして、新型コロナウイルス感染症の対策と熱中症の対応を同時に行わなければならない状況は続いていますが、今後は、インフルエンザ対策も必要で、自分自身の対応が重要になると思います。また、不安定な世界情勢、物品等の相次ぐ値上げや人手不足、自然災害の激甚化などが事業者を圧迫していて、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しいままです。地域建設企業として、地域を守る気持ちでの営業を続けていかなければならないと考えます。
ある視覚障がいがあるブラインドサッカー選手の試合時の脳の状態を調べたところ、働かないはずの視覚に関係する部分が働いていたということわかったそうです。現在の自分を超えようとする戦いの中で、失った機能を補う何かが働き出しているのだと理解できます。使えない視覚の代わりに、聴覚や身体の部分のあらゆる機能が、通常以上に研ぎ澄まされたり能力を発揮したりすることは、他のスポーツでも感じるところです。また、どんな人でも、年齢を重ねるごとに、少しずつその機能を失っていきますが、それぞれが切り拓ける何かがあるとの可能性を感じさせてくれたのではないでしょうか。
それが、一人一人の価値観を変え、社会の構造をも変える力につながっていくのではないかと思います。
【2023.春】
平年より5日遅れての6月11日、東北南部に梅雨入りが発表されました。
言い訳となりますが、今回の更新の前の秋・冬は、様々な活動のイレギュラー対応もあり、休載してしまいました。申し訳なく思っております。
この5月8日には、新型コロナウイルス感染症が、インフルエンザと同じ5類の取り扱いに移行し、イベント等の復活も含め、社会経済活動に弾みがつくことを期待しているところです。コロナ禍からの脱却と共に、依然として続くエネルギー価格や原材料価格の高騰の問題が足かせとならないように、前に進んでいきたいと考えます。
3大会連続でオリンピックに出場した400メートルハードルの日本記録保持者で、スポーツコメンテーターの為末大さんは、「試合で自分が勝っている時に、早く終わらせようと思った途端、逆転される」と言っていました。そして、「それとは逆に、自分の現在に集中している時に、ゾーンに入る」とも語っています。ゾーンのことを「神が舞い降りる瞬間」などと表現する人もいますが、「自分の現在」に集中している時は、他者が入る余地がありませんから、神も降りやすいのかもしれません。逆に、早く勝ちたい、早く成果を出したい、などと思った瞬間、そこには、試合相手はもちろん、周囲で応援してくれる人や、評価をくれる人など、様々な他者が介在してきますから、そんな密な場所には、神様も降りてこられないという事なのかと思いました。
それは、私たちの日常も同じ。「早く成果を出そうとか、評価を得よう」などと思えば思うほど、「今」をないがしろにしてしまうところに重なるのではないでしょうか。「自分の現在に集中する」未来を拓くカギは、この積み重ねにしかないのではと改めて感じました。
【2022.夏】
梅雨明けが発表されたあとの7月15~16日の大雨は、当社のエリアの大崎地方に甚大な被害をもたらしました。岩出山エリアの丸山橋(まるやまばし)が崩落し、古川エリアの名蓋川(なぶたがわ)、美里・涌谷エリアの出来川(できがわ)が決壊するなど、多くの住民の避難を余儀なくされました。国土交通省テックフォース[緊急災害対策派遣隊]を立ち上げられた足立敏之参議院議員の随行で一緒に現地を回ることができました。現地の状況は、映像で見る被害との違いを感じさせられるとともに、地域の住民の皆さんの切実な思いを聞かせてもらい、復旧に携わる地域建設企業としての責任の重大さを感じることができました。
猛暑といわれるこの夏、熱中症の対応と新型コロナウイルス感染症の対策を同時に行わなければならない難しい状況になっています。社会・経済を正常に推進していかなければならない中、ワクチン接種も4回目が始まっていますが、感染者の増加によってこれからは、自分自身の対応が重要となってきています。
吉田兼好の『徒然草』の中で、双六の上手い人に勝つ方法を尋ねた時の答えに、「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。」(勝とうと思って打つな。負けないよう打とうと思って打つがいい)といった言葉がありました。勝とうとする時は、敵は外にいて、負けまいとする時は、敵は内(己)にあるような気がします。勝とう勝とうとなればなるほど、自分で勝手にどんどん敵を作っていきことになり、最後はつぶれてしまうようにも思われます。今のコロナ禍の状況も、勝とうとすると、現実の厳しさにめげそうになってしまいますが、負けまいと思うと、心を感染させないようになどと、自らを奮い立たせる方向に気持ちが向いてきます。
先が見えないこんな時代だからこそ、何かには決して負けないように、ドンと構えていければと思います。
【2022.冬】
この冬は、寒気が居座り平年よりも気温が低い日が続いています。春が待ち遠しいこの頃です。新型コロナウィルス感染症は、一時的に減少したものの、年明け以降、感染力の強いオミクロン株が広がり、国内では「まん延措置防止等重点措置」を適用される地域が、日に日に増えております。治療薬の開発や検査体制の充実、ワクチン接種の加速など、感染拡大防止と経済活動の充実に向け、国を挙げて努力しなければならない状況になっています。
今年の干支は、「壬寅(みずのえとら)」になりますが、「厳しい冬はいずれ終わり、温かい春が来る。冬が厳しいほど、春の芽吹きは生命力にあふれ華々しく生まれる。」ことを意味しているようです。そのような年になることを心から期待しています。
ホストであり実業家でもあるローランドさんは、「モノには住所があるので、ちゃんとあるべき場所にないと気持ちが悪い」と話していて、物を持ち出したら必ず前にあった場所に戻すと言う事を徹底するそうです。私も時々、住所不定のモノを整理整頓をしないといけないと思いながら、「心も常にあるべき場所にないと、もしかしたら気持ちが悪いな」と感じました。一人ひとりその場所は違うのは当然ですが、その居場所を決めるのは、「自分はこうありたい」と願う気持ちであり、常に機嫌の良い自分でいたいとか、卑しい自分になりたくないなど、それぞれ心の中にある思いではないでしょうか。その心は、放っておくと簡単にずれてしまい、自分でも気づかないでいてしまうような、微妙な状態のような気がします。そして、さらにそのずれが続くと、物の片付けと一緒で、乱雑な状況になって収拾が付かなってしまうこともあるのではと考えます。
日々、目の前にあるモノの住所をきちんと整えながら、自分自身の安定になるよう、心のあるべき住所も整えるといったような日常が続けられればと思います。